9月になってもまだまだ暑いですね。
さて先日の議員連盟、統合医療のお話の続きです。
まずはその背景から。
近代西洋医学は急性疾患に対して多大な貢献があったが、慢性疾患に関しては限界が生じています。臓器別に細分化が進んで全体が見えない、そして医療費が増大しることも課題です。
また最近の科学の方向性として、全体を複雑系として捉える事の重要性が指摘されています。近代西洋医学と統合医療を対立的に捉えるのではなく、新しい医療の在り方として捉える考えもあります。
統合医療の内容は、社団法人日本統合医療学会によると「さまざまな医療を融合し患者中心の医療を行うもの・・・伝統医学と相補・代替医療、さらには経験的な伝統・民族医学や民間療法なども広く検討」
その特徴は、1患者中心の医療 2身体のみならず精神・社会(家族や環境)さらにはスピリチュアルな面も含めた全人的医療 3個人の自然治癒力の促進により、治療のみならず、むしろ増進を目標とする病気の予防や健康が挙げられる。
米国衛生研究所相補代替医療センター(NCCAM)の定義では
従来の医学と、安全性と有効性についての質の高いエビデンスが得られている相補・代替医療を統合した医療とされています。
世界保健機構(WHO)では
「伝統医学」について「それぞれの文化に根付いた理論、信心、経験に基づく知見、技術、実践の総合であり、健康を保持し、心身の病気を予防、診断、改善、治療することを目的としてる」としています。
最終的には、あまりにも厳密に定義することなく、大まかな理解で捉えるべきとしています。
次に「統合医療」について、現時点においてどの程度の科学的知見が得られていると言えるか?
現状の分析では評価は困難であるとしています。
そして統合医療に含まれるものとその認知度については、
マッサージ、漢方薬、サプリメントの順に多く、ホメオパシー、アーユルベーダ、温熱療法に関してはわかってないが多いです。
そして相補、代替医療などを利用する際の参考にすることは、体験談、研究結果の提示、効果を示す文句で、エビデンスが優先されてはいない結果です。価格は安価なものが選ばれています。
「統合医療」の安全性や有効性はどのように評価したらよいか?
統合医療を推進していくためには、安全性や有効性に関する知見を集積し、それらを評価することが非常に重要としていました。
相補・代替医療と言われている療法として資料に載っていたものは以下のものです。
はり・灸、各種マッサージ(台湾式・タイ式・足つぼなど)
骨つぎ・接骨、整体、カイロプラクティック、食事療法
断食療法、サプリメント・健康食品(ハーブを含む)
アロマテラピー、温熱療法、磁気療法、温泉療法、音楽療法
森林セラピー、ホメオパシー、アーユルベーダ、ヨガ、気功、
漢方・生薬
まだまだたくさんの療法があるでしょうね。
これらがどのように効果があって、どのような人に合うかなど調べていては、いつまでたっても統合医療はできないでしょうね。
道は本当に遠いです。
次回は各国の統合医療事情についてご報告します。
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