空海さんが修行された洞窟の中から(室戸岬)
先日訪ねた兵庫県の鏑射寺中村公隆住職の本を読んでいます。現在3冊目。「いのち耀いて生きる」
その中で気診に通じることかもしれないと思ったことがあったので書いてみます。
そこは枯れてしまった梅の絵を「どうぞこの絵の中で生きて下さい」としまい込んでいた絵から香りがするというお話と共に書かれています。
「色や香りはもちろんのこと、眼耳鼻舌身意(げんにびぜつしんい)の六根にかかる感覚や、色声香味蝕法(しきしょうこうみそくほう)という感覚にのぼる対境世界も、ともに何層もの層をなしておりながら、共有できる地盤の上に存在しています。静かで波打たず清浄な心には、一般の感覚では味わうことのできない、密度の高い精妙な世界が、天高く地底深くまで一切を包んで展開されているのです。
日常の磨きのかからぬままの感覚では、この微妙な崇高さを漂わす生命世界は知覚することができないために、粗雑な表面世界だけに住んでいるのです。気体とか、液体とか、固体とかの分かれる以前の澄み切った生命世界があらゆるものを作り出している、そのレベルに私たちが参入し得る、などと考えてもみないのです」