(東京都大田区雪が谷の空 By A.S)
さて、キシラ―の試験(以前は、試験があったんですよ)に無事合格し、晴れてキシラ―となった矢先のある日、北海道の友人Yさんのご主人から電話が来ました。
「鈴木さん、母さん(奥さんの事です)の具合が急に悪くなって、緊急入院したんだよ。どうしたらいいんだろう」
訊けばYさんの病名は多発性骨髄腫という事で、病院のベッドにくぎ付けにされて治療を進めるという事でした。
遠いところで苦しい治療を受けているYさんと、成す術もなくオロオロしているご主人。
その二人に対して私ができることは……祈る事と、遠隔で気診をすることしか思い浮かびません。
「お父さん、分かった。私が気を送るから、お母さんにキラキラした光が自分を包んでいるイメージするように言ってね。大丈夫、安心して!」
根拠のない慰めの言葉を伝え、私はその時からYさんに対して遠隔で気を送ることに徹しました。
Yさんの元気な笑顔の写真を壁に貼り、あったかいお日様をイメージして気を送り続けたのです。
Yさんの第七頸椎には大きな腫瘍ができていて、それは放射線治療をすることになっていました。
入院して1週間ほどして、いよいよ放射線治療の開始日、治療前の検査をした際、驚いたことにその腫瘍が無くなっていたというのです。それも、頸椎ごと(;O;)
なぜか第七頸椎ごと、そっくり腫瘍が消えていると……。
頸椎がないという事は、首がグラグラになって頭を支えられない。なので、ギブスをしなくてはならない。
という事で、頸椎が育つまでの半年ほど、ギブスが必要となったのです。
(つづく)