立川漢方懇話会の100回記念で高山宏世先生のご講演を拝聴致しました。ご著書は何冊も読ませて頂き、気診研究会のテキストにも使わせて頂いているほど、イラスト入りで難しいですがわかりやすく書かれています。多くの先生方のバイブルになっています。
今回は肝気うっ血と肝気虚。肝気うっ血は日常でもよく出てきます。右季肋部に硬さがあると気診では捉えられます。顎関節症、噛みしめがある方はほとんどこの肝気うっ血があります。しかし今回先生のご講演を伺い、肝の気が滞っている場合と、足りない場合があることがよくわかりました。
肝は疏泄(気の流通や諸臓の機能調整)、血の貯蔵、筋、目、爪と関連とあります。肝の疏泄が失調するとイライラして怒りっぽくなります。
顔面充血、不眠、頭痛、眼痛、めまい、胃に影響すると吐き気、ゲップ、便秘、脾に影響すると腹痛、腹満、下痢、そして瘀血を生じることも多い。筋肉の震えや痙攣なども肝血に起因する。
肝気うっ血は内外の邪で肝気が抑制されたり、怒りやストレスなどで肝の疏泄阻害されて、肝気の流れが滞る。つまり気は存在するが流れない。
それに対して肝気虚は気血の源である脾胃の疲労、長期のストレス、極端な疲労の連続肝気が充分生成されず欠乏して肝の疏泄が行われない。無気力、倦怠感、筋肉が弛緩し無力。いつでも眠く起きられない。
両者のちがいがよくわかりました!