(東京都練馬区の空 By H.K)
結局、この入院は、3週間弱かかってしまいましたが、すっかり、元気になり、最終日に、乳がんの局所の検査をして退院しました。
数日後、検査結果を聞きに行くと、H先生は、「サキさん、がんは、画像上すべて、消えています。」とおっしゃいました。
「そーなんですか!!抗がん剤、局所にはあまり効果ないかもと言うお話でしたが、効いたんですね!」と、私は、びっくり!
「そうですね。効果ありましたね。こう言う事もありますからね。良かったです。」と、H先生。
「となると、手術は、全摘しなくても、部分切除で大丈夫とかですか?」と、私。
「部分も何も、画像上は、がんはありませんから、部分切除は、出来ません。」と、H先生。「じゃ、手術しなくて良いですか?!!」と、喜んだのですが、、
「今の医学では、画像上、がん細胞を確認出来なくても、全くがん細胞がないと証明するには、摘出して、ミリ単位に切り、それらを全て病理検査して、その結果を出さないと完全に無くなったとは言えません。サキさんのがんの大きさ、タイプを考えると、私は、全摘出手術するべきだと考えます。」と、H先生は、おっしゃいました。
がんが無くなっても、全摘か、、私は、そう思い、悩んでしまいました。
「全摘して、病理検査して、そこで、がん細胞が無く、さらに、リンパ節転移が認められなければ、術後の放射線、ホルモン治療はされなくても良くなると思います。ただ、分子標的治療は、最後までやって頂きたいです。そこまで、やって頂ければ、寛解に近い状態になります。手術して、病理に出して、完全にがん細胞が無いことを証明しましょうよ、サキさん。」と、いつも淡々とお話される、H先生ですが、この時は、熱く語り掛けてくれたのを、今でも良く覚えています。
その言葉を聞いて、(10年間のホルモン治療なし!?マジで?!これで、リンパ節切除も無くなれば、当初私が、望んでいた治療になる。全摘手術する覚悟は、最初に出来てたし。)と、気持ちを立て直しました。
(最初に治療方針は、H先生に全てお任せと、決めていたじゃん、私!ここで、ぶれちゃダメ。もしかしたら、セカンド・オピニオンで、他の病院に相談したら、手術しなくて良い可能性もあるかもしれない。でも、H先生に従う事が、ベスト。中途半端な治療して、再発の心配上げるなら、全摘手術しよう。)と、決めました。
「わかりました、手術します。先生、よろしくお願い致します。」
H先生も、ホッとされたご様子。
画像上がん細胞がない状態での、全摘手術、家族や近しい友人は、しなくても良いのでは、と言っていましたが、私は、手術することがベストと決め、迷いなく、手術当日を迎えました。
手術が終わり、病理検査の結果は、合計5cm程あったがん細胞でしたが、5mm弱分、非浸潤がん組織か認められるだけになっていました。H先生曰く、「ほぼ完全奏功の状態です。さらに、リンパ節の転移はありませでした。これから、分子標的治療を最後まですれば、放射線、ホルモン治療はしないで良いと思います。」と。
私は、心の中で、ガッツボーズをとっていました。右乳房は、失ったけれど、この結果を得られた喜びのが、勝っていたのです。
(つづく)