自然療法研究所付属 八王子漢方クリニック

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気診体験記

デミのがん体験記(21)最後に

(韓国の空 By M.U)

初めてがんを告知された時「とうとう来たか」という気持ちがしました。
がんで亡くなった主人の葬儀にいらして下さった主人の義理の叔母が「気をつけなさいよ、○○家は旦那さんががんになった後、奥さんもみんながんになってる」とおっしゃった一言が、呪いの様に聞こえ忘れられずにいました。
その時私はどこかで「この日」が来るのを予感していたのかも知れません。
なんとか主人を助けようと集めた情報は結局自分のためとなりましたが、その情報の多くは「奇跡」を求めるもので、私は極端な道を歩み始めることとなってしまいましたが、どの経験も私にとっては必要なことでした。
もちろん、命あってのことではありますが、がんにならなければ気付かなかった事が山ほどあります。
決して強がりでは無く、名古屋のボランティアでの恐怖体験さえ、恨むどころか感謝しています。
真夏の炎天下、一心不乱に草をむしり、土を耕し、水をまき、日が暮れれば嫌でも農作業の手を止めざるを得ません。
汗水垂らして植えた種が芽を出しても、突然の大雨で流されてしまいます。逆に冬場はどんなに着込んでも寒さが厳しく、作業をする手も凍るほどです。
私は月一で通うだけでしたが、田畑を守る皆さんは来る日も来る日も作業をし、そうして野菜やお米が採れるのです。
いままで当たり前に頂いていた食べ物がどれだけの人の労力と時間をかけて私たちの手元へ届き口に入るのか、身をもって学ばせて頂きました。
この経験のお陰で「医食同源」という言葉にも一層理解が深まりました。
一粒一粒に込められた作り手の「気」が私たちの身体に取り込まれ「元気」を生み出してくれる。それなのに、肝心の本人が他人の一言に「気」をもんだり、要らぬ心配で「気」の無駄遣いをしては、それこそ「もったいない」ですよね。

今回「気診体験談」のお誘いを頂き書き始めたところ、いつしか14年前の結婚当初まで遡って14年分の日記帳を読み返し、気がつけば「体験談」を逸脱してしまいましたが、以前から、これらの体験を自分なりに纏めたいと思っていたので、この機会を頂きやっと纏めることが出来ました。
「気診体験」にも関わらず、気診にすら出会っていない14年も前まで遡った理由は、私がどんどん「気」を病んでいく様子を自分自身で振り返り、「気」がどれだけ心や体に影響を及ぼすかを思い知らされたからです。
「もし、もっと早くサラ先生に出会っていれば!もしあのときこうしていれば!もし、もし、もし…!!」でも、「もし!」など、どこにもありません。
あるのは「いま、この瞬間」だけです。それを教えてくれたのも「がん」そのものです。
とは言え私は未だ過去を振り返り、まだ見ぬ未来を思いあぐね、行ったり来たり…。中々「いま、ここ」に落ち着けませんが、精一杯「いま」を楽しんでいけたら、と思っています。

サキさんと出会った頃、まだ手術して2年が過ぎたばかりのサキさんは様々な資格を取得し、更に勉強を重ね、がんの方のケアと走り回っていました。
私はどこからそんなパワーが出るのか不思議で「サキさん、凄い!」としか言えませんでしたが、彼女は一言「いつ死ぬか分からないから、やりたいことはいま、全部やるの!」とおっしゃったのです。
言葉にするのは簡単です。それを実行する強い信念と行動力、更に大きな愛が彼女には溢れています。
そして、その愛の源こそがサラ先生なのでしょう…。
小田一先生の元で「気診」の修行をされ、伝播されたサラ先生のご苦労は、サラ先生の笑顔からは想像も出来ませんが、こうしてサラ先生の元で学ばせて頂ける事に、心から感謝致します。

一冊の本の「サラ先生」という、たった1行から始まったお二人とのご縁、そして「気診」との出会い。

これこそ、私が起こした「奇跡」です…。

(終わり)

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