お陰様で12月23日の大阪気診養生講座は午前、午後共満席となりました!ありがとうございます!新しい出会いが楽しみです。
さて『漢方の臨床』投稿記事です。ここからは『噛みしめ症候群』の症例になります。
噛みしめの影響が全身に及ぶということをこれまでの臨床の中で痛感しています。しかし最近思うに、噛みしめるから身体が緊張するのではなく、身体が緊張するから噛みしめるのではないかと考えています。
日々のストレス、人間関係、様々な事件や事故を見るにつけ知らず知らずに身体は緊張して生きているのではないでしょうか。何とか身体が壊れてしまうのを食い止めるために噛みしめ、歯ぎしりをし、歯が少しずつ削れていく・・・歯がクッションのような役目をしているのかもしれないと感じている今日この頃です。しかし、噛みしめ、歯ぎしりは歯、歯肉、顎関節に負荷をかけます。噛みしめを改善して口腔内の健康を保つためには身体を弛めていく必要があると考えています。
現在診療の中で、噛みしめを改善するために養生や鍼灸、アロマテラピーといった身体のケア、気診で合わせて漢方処方を行って身体を弛めています。今回は噛みしめが改善し、さらに腰痛も改善したのでご報告致します。
(症例1)53才 男性
【主訴】 噛みしめる、腰が痛い
【既往歴】なし
【現病歴】2か月ほど前から噛みしめている。疲れが抜けない、腰が痛い。
【経過】会社の引っ越しの責任者になり、ハードな日々を送った所、腰が痛くて動けなくなった。夜噛みしめているように思う。鍼灸院で治療してもらって腰はだいぶよくなったが、まだ動くと痛い。疲れも抜けにくい。
【経過】
(初回)
ストレスが溜まっており、疲れがたまっているとのことで身体も右に傾いていました。気診をすると頭、肩、右季肋部、腰、足に気の異常反応を捉えました。
胸脇苦満++ 瘀血++ 水毒++
顎、鎖骨下、ソケイ部のマッサージ、呼吸法などの養生法をご指導しました。
漢方はツムラエキス剤、補中益気湯を夜1包と八味丸1/5包(0.5g)
1ヶ月ほどしてだいぶ楽になってきたとのこと。噛みしめも改善してきた。
腰はもう大丈夫とのこと。
(2回目)
漢方を飲んでいた方が調子がよいとのことで、桂枝茯苓丸に変更して現在に至るまで服用している。