自然療法研究所付属 八王子漢方クリニック

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気診体験記

気診列車【患者発→講師行】~14年の軌跡~(5)「夢の講師業へ、出発進行ー」の巻

(アメリカ アリゾナ州 セドナの三日月と空 By S.T)

 

気診を続ける人には、いろいろな目的があります。医療関係者なら治療や施術のため、栄養士や主婦なら食材選び、持病をお持ちの方は体調管理、などなど。

しかしわたしには、確たる理由が見当たりませんでした。

それが、あちこちで小倉先生の講演を聞いているうちに固まってきました。

「いつか講師になって、気診の面白さを伝えよう!」と。

 

その思いが現実のものとなったのは、カルチャーセンターでの隔週講座でした。

講座をするには、なにより自身の気がととのっていなければなりません。内容を考えるとともに、日々、自己調身(自分で自分の気をととのえること)にも励むこととなりました。

 

さて、実際に講座に来てくれたのは、開催ギリギリラインの3名の方。

いつもそうですが、もっとも緊張するのは初回です。多くの人は、こちらの説明にチンプンカンプン。「気」には興味があるものの「気をつかむこと」まで届きません。

それを伝えるために重要なのは、実体験。参加者のみなさんが(気をクリアにして)緩む感覚を持てるようにアシストします。

「えー、わかんな~い」という人がいても、「特別な能力ではなく、だれでもできることなんですよ~」と安心してもらい、わかんな~いの空気を一掃します。

 

「わかんな~い」から抜け出すために、小話を挟むときもあります。たとえば、「気にする、しない」の話。あなたに悪い出来事が起きたとしましょう。それを(自分の)気にすれば気分(体調)は悪くなる、でも気にしなければ悪くならない、というような話。それに納得すると、気診の気をつかもうという意識が生まれます。

 

カルチャーセンターでこれができたかどうかは、よくわかりません。ただ必死にやったというのが正解(汗)。この講座は1年間続きました。東洋医学の五行論「肝・心・脾・肺・腎」を使った自己調身で、わたしがみなさんの弱っているところを指摘すると、「なんでわかるの?」と、よく当たる占い師のような扱いを受けたこともありました(苦笑)。「特殊な能力ではない」ことは、なかなか伝えられずに終わってしまったのが心残りでした。

 

(つづく)

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