(千葉県柏市の空 By H.K)
こうしてサラ先生の気診が始まると同時に手術へのカウントダウンも始まりました。
サキさん曰く「サラ先生がいらっしゃれば鬼に金棒!」私は安心してその日を待ちました。
その間も私は何か気がかりなことがあるとすぐにサラ先生を頼り、些細な事でもすぐにメールしてしまいました。
それでもサラ先生はいつも返信を下さいました。「調子はいかがですか?力を抜いて、行きましょうね。病院では呼吸法が大事です。ご自身のエネルギーを増やす、風船を膨らませるようなイメージで行ってくださいね。応援しております!!」
そんなやりとりが続くうち、私の中で燻っていた思いの正体が明確になり、サラ先生へ「サラ先生とのはじめてのZOOMで、4年半前『手術をしたら持って行かれる!』と手術をキャンセルしましたが、その正体は、手術の失敗でも、地縛霊でも、三途の向こうの手招きでも無く、自分自身の『恐怖心』が私の気を食い尽くす、つまりサラ先生のおっしゃった「気餓死」そのものだった、と言う感情が湧き上がって来ました。
4年越しで謎だった正体が、ここで明らかになりました。
まさに「自殺」するところでしたが、サラ先生とサキさんのお陰で「恐怖心」を手放し、『全ての準備は整った』と確信しております。
サラ先生、こうして文字を打っている今も涙が出ます。有難いです。手術が終わったら、ご連絡させて頂きます。本当に、ありがとうございます。」とメールを送りました。
こうして私は周りの方の支えによって「恐怖心」を手放し、手術へと臨みました。
8月6日、姉に見送られ手術室へ。9時半から4時間半に及ぶ手術で1,850gまで育った左腎を腫瘍ごと全摘出。多少の輸血はしたものの手術は成功!
麻酔から目覚めた瞬間、手術室の明かりと同時に主治医の顔が飛び込み「全部取れたよ!」との言葉に涙しました。
私はできる限りの力で主治医の手を握り「先生、ありがとうございます。」と何度も告げ、姉が待つ病室へ戻りました。
腹部の傷は30センチにも及び、高熱が出て、背中に入れた管と傷口の痛みには点滴の痛み止めも効かず眠れません。
薬がようやく効き始めたころ時計の針が24時を回った7日、片腎となったわたしは59歳の誕生日を迎えました。
もともと薬嫌いだった私は痛み止めの薬を飲むことが不安でしたが、サキさんもご自身の手術時の体験を踏まえ「術後の痛みは仕方ないです。私も痛かったですよ!…今の痛み止めは良くなっていますから、そんなに刺激は無いと思います。(まだ術後3日なのに)ちゃんとお食事されていることが、奇跡みたいなものですよ!…」とアドバイスを下さいました。
(つづく)